[現車について]
今回ご紹介します車両は、DUCATI 916SPSです。
世界限定1000台のうち、98年式のspsの日本入荷(正規ルート)は、72台でした。
現車は、本国からの並行輸入でオーナさんが新車購入したワンオーナー車です。
最高出力 99kw(134ps)/10,000rpm
最大トルク 101Nm(10.3kgf・m)/7,000rpm
タンク容量 17L
エンジン 水冷L型2気筒デスモドロミック4バルブ 996cc
変速機 6段リターン
全長×全幅×全高 2050mm×685mm×1090mm
タイヤサイズ F:120/60VR17 R:180/60VR17
乾燥重量 157kg
851や888の後継として、94年にデビューしたのが鬼才マッシモ・タンブリーニの代表作916シリーズ。
デスモクワトロと呼ばれる水冷Lツインエンジンを、伝統のスチール製トラスフレームに搭載。
クロームモリブデン鋼管を使った非常にスリムなフレームで重量は僅か8kgという軽さ。
特徴的な片持スイングアームはブレンボ製、そしてブレーキとホイールまでもブレンボ製です。
97年に登場した916SPSは、996ccに排気量を拡大し、バルブタイミングを変更したエンジンを搭載、更に98年にはチタンコンロッドが採用されました。現車はチタンコンロッドが採用された98年式です。
ホモロゲーションモデルですので、サーキット専用のCPUとサイレンサーが付属します。
[カスタム内容]
*デグナー製
・エアダクトカウル(カーボン)
・フロントフェンダー(カーボン)
・クラッチカバー(カーボン)
・右ヒールプレート(カーボン)
・フロントスクリーン
・スプロケットカバー(カーボン)
・スイングアームカバー(カーボン)
*ドカティパフォーマンス製
・バックステップ
*ブレンボ
・フロントブレーキキャリパー
・ブレーキ&クラッチラジアルマスターシリンダー
*AELLA
・クラッチレリーズシリンダー
*オーリンズ製
・フロントフォーク(純正SHOWAフォーク有り)
*マルケジー二
・鋳造ホイール前後(純正ブレンボホイール有り)
*SHORAI
・軽量リチウムイオンバッテリー
・テルミニョーニマフラー(純正有り)
・レーシングロム(純正有り)
[機関]
セル一発で快調に吹け上がります。
ノロジーホットワイヤー、アーシングの追加、レギュレーター交換、インジェクションの点検清掃などの、燃料噴射系や点火系のメンテナンスで、24年の所有歴の中で、今が一番調子が良いそうです。
[外観]
カウル全体に大きな傷や艶引けは確認できませんでした。
走行に伴う小傷はあるかもしれません。
スイングアームに倒した際にできた傷がありますが軽微です。(写真参照)
カーボンカバーが付いているので隠れています。
[整備内容]
2015年にエンジンヘッド周りのメンテナンス(写真参照)
2019年に燃料噴射&点火系のメンテナンス(写真参照)
クラッチプレートは数年おきに何度か交換されていますが、ハウジングは未交換ですので、不具合は無いですが気になる方は交換推奨だそうです。
[総評]
DUCATIと言えばタンブリーニ、と思うのは私だけでは無いはず。
30年経った今も現代のSSに勝るとも劣らない輝きを放つ916シリーズ。
その中でもホモロゲーションモデルである916SPSは世界限定1000台と希少で、限定車らしくトップブリッジにシリアルナンバーが刻まれたプレートを備えます。
標準でサーキット専用のテルミニョーニ製マフラーとCPU ROMが付属します。
オーナーさんは、これに乗りたいが為に大型2輪免許を取得し2年待って手に入れたそうです。
まず、一見して24年前の車両には見えません。
真っ赤なカウルはピカピカ、大切に乗ってきたのが伝わってきます。
ホモロゲがそもそもメーカーカスタムなのに加えて、オーリンズ製フロントフォーク、前後マルケジー二鋳造ホイール、ブレンボ製キャリパー&マスター、各部に追加のカーボンカウルなどのツボを押さえたカスタムが施されています。もちろんノーマルの部品も付属します。
数百ページに及ぶサービスマニュアルもあり、これだけで結構なお値段がします。
盆栽にせず、乗り続けて維持してきた車両らしく、不具合箇所を潰し、消耗品は交換し、不安無く完調に乗り出せます。
コンディション維持の為、若干距離はのびます。
916シリーズが絶版になって約20年、次第に程度の良い物は少なくなってきました。
ワンオーナーでコツコツと愛情込めて手を入れてきた車両は一見の価値アリです。
オーナーさんは、更にエンスーな車両に乗り換えの為、売却を決断されました。
車輌は北海道札幌市にあります。
個人の為消費税はかかりません。
以上の記事内容は、オーナー様のコメントをもとに作成したものです。
整備履歴、修復歴などに関しては、バイクの杜で裏づけを取ったものではありません。